吉田塾の皆様

現在バングラデシュ国ダッカ在住、吉田塾塾友の三敬鋼機株式会社 村松寛一です。
ご無沙汰しておりますが、みなさんのご活躍は吉田塾のHPによりいつも拝見させて頂いております。塾長を始めとして、皆様お元気そうでなによりです。
現在バングラデシュは雨季に入りまして、一日のうち数時間を雨に覆われています。先日、日本でも報道があったようですが、洪水により多数の死傷者が出たチッタゴン地域は、私の住んでいるダッカとは東京と豊橋くらいの距離があり、こちらは全くの被害がありませんでした。メッセージも頂けた方もいらっしゃいましたが、ご心配をおかけしました。

さて先に挙げた「バングラデシュの雨季」なんですが、実はこの国は「雨季」と共に生活してきた、と言えます。バングラデシュを始め南アジアというと「日本と比べて非常に暑い」というイメージをもたれるかと思いますが、そうでもありません。バングラデシュの最も暑い時期は「乾季の終わりである3月、4月」で、雨季が近付くにつれて段々と気温が下がり、一日の数時間の雨がバングラデシュの気温をぐっと下げてくれます。日本のように「暑いまま雨が降る」という降り方でなく、「一日降り続く事はなく、1~2時間の集中豪雨が一気に気温を下げてくれる」という意識が強いです。またこの雨によってもたらされる農作物の成長はバングラデシュの重要な資源となっており、地元の人は一概に雨に苦しんでいるとは言えず、「逆に喜んでいる」という印象です。
バングラデッシュ紀行④

さて政治・経済・経営の研鑽を高める吉田塾でありますので、その方面でのバングラデシュをお話します。

まず経済。
バングラデシュのGDPの伸びは今期の予想も6%後半~7%であり、世界的な不況下の中未だ堅調です。
その現在のバングラデシュの経済を支えている一つが「低労働賃金」と「1億6000万人を超える豊富な人材です」。一人当たりGDPが650ドル程度のアジアでも下から2番目(1位はネパール)であるこの国は、生産拠点となりうる国家の中で最低賃金ランクです。バングラデシュ、ネパール以下の国は中東のアフガニスタン、あとは全てアフリカ諸国です。バングラデシュはネパールと比べ「港」を有しており、さらに労働人口において圧倒的な差があります。人海戦術を必要とする「繊維会社」が続々と進出するのは、その低労働賃金から来ているのでしょう。実際、日系企業では中国からシフトしてきた「ユニクロ」「YKK」「JUKI」などの服飾関係の会社の進出が目立ちます。また海外から「H&M」「アバクロ」「アディダス」なども進出済みです。
バングラデッシュ紀行④

バングラデッシュ紀行④

また写真に見られるように「青年層を主体とした理想的な人口ピラミッド」は今後も安定した人材供給が予想され、それが経済成長とともに「製造拠点から巨大な消費マーケット」に変わる可能性も秘めています。実際、1億6000万の巨大な消費マーケットへの可能性を求め「ロート製薬」や「味の素」などがここ2年のうちに立て続けに進出し、さらに2014年には「居酒屋ワタミ」も進出を発表しました。大企業だけでなく日本の中小企業の進出にもメリットは大きいです。バングラデシュは日本での知名度に反して世界有数の「親日国」として知られています。この親日感情は、日本企業の進出の大きな後押しになります。
また何よりも中小企業における最大のメリット「ライバルが少ない事」でしょう。世界のビジネスのプロがしのぎを削る中国や、すでに先見性のあるれる企業が進出している「BRICS」に今から進出しても、よほど強い会社独自の特色を持たないと勝てないですが、バングラデシュは世界の市場がようやく気付き始めた市場であり、どの分野からの進出でも可能性はあります。今後は製造拠点だけでなく、消費市場としても見ても面白いと思います。

次に政治の話。
これについてはバングラデシュにまだまだ誇れるものはありません。一応の議会制民主主義をとり、「アワミ連盟」「BNP」という2大政党が選挙のたびに選挙交代をする現状ですが、どちらの政党を選択しても党利党略を優先し国民生活に結びつきません。袖の下が横行し、両政党とも使途不明金が多く、先日も「世界銀行」からのインフラ整備融資が「使途不明金や賄賂が多い」と直前になって断られた所です。しかし国民やメディアには発言の自由は保障されていて、この政府の状況に不平不満が多いのは事実です。デモなどを行ったとしても、時の政権与党が指示した警察に押さえつけられる状況です。ただ政権交代はしっかり起こるので、それなりに選挙の意味はありますが、「どちらに入れても同じ。第三極が出てほしい」というのが国民の願いですしかし立候補にはお金がかかるため難しいのが現状です。「民主主義は独裁主義より時間がかかる」というのを時で行っている状況です。
アワミリーグ総裁シェイク・ハシナ総理
バングラデッシュ紀行④

BNP総裁カレダ・ジア前総理
バングラデッシュ紀行④


最後に私の今の活動をご紹介させて頂きます。
現在、バングラデシュの首都ダッカに現地法人S.K.LINX(Bangladesh)LTDを設立しました。この会社ではバングラデシュとの様々なビジネスを拡げています。

今のところメインとしては
1. 日本に設立したバングラデシュ進出コンサルタント法人「一般社団法人 国際人材交流機構」のバングラデシュ業務担当です。

より簡単に日本企業とバングラデシュ企業のビジネスマッチングを始められるように工夫をしました。ブログの更新や、毎日のニュースを日本語で配信しています。バングラデシュ工業大臣や商業委員会委員長にも協力頂いています。一度HPをご覧下さい。http://www.ihn.or.jp/

2. バングラデシュでのWeb製作事業です。

日本では費用が高く明朗な料金根拠もないホームページ製作ですが、これをバングラデシュで行い低価格を実現します。
上記の「国際人材交流機構」のHPも弊社が製作しました。更新にも負担が無いように、お客様自ら簡単に更新できる「Word Press」システムを使用しつつSEO対策も施し、製作納入費10万以下のHPを実現しています。「aegaro web service(エガロ ウェブサービス)」というブランド名で近々インターネットショップを立ち上げますが、ショップ公開前すでに3件ほど注文を頂いており現在製作中です。メインターゲットは「個人事業主」などHPを予算的にHPを持てなかった、あるいは「自分で製作していたがプロに製作してほしい」といった層です。

3. バングラデシュの知られざる特産品は「牛革」です。
日本ではバングラデシュ自体が知名度が低いため目立ちませんが、欧州や中国などに「牛革」の原反を輸出しています。

現在バングラデシュ→日本のルートが薄いため、このバングラデシュ製「牛革」を安価に日本に輸出します。今、バングラデシュ→中国→日本というルートですので、これを短縮したいと思います。もしご興味のある企業がありましたらご紹介下さい。取引成立に応じてご紹介料金を差し上げます。

4. オーダーメイドスーツ販売です。

既製服天国の日本ですが、自分の身体のサイズに合ったオーダースーツ製作は人件費割合の大きなもので、日本人にとっては非常に高価なものです。「こだわりのオーダースーツを注文したいが、高級なものには手が出せない」という層に非店舗型のインターネットショップを立ち上げます。「お台場仕立て」や「本切羽」「ハンドステッチ」「チェンジポケット」など、まさにオーダーメードスーツ特有の仕様を「全てのオプション込みで30000円以下」を予定しています。バングラデシュでは既製品購入より、昔から仕立て屋でしたててもらうのが通常です。人件費が安いバングラデシュならではです。これも「aegaro(エガロ)」というブランド名でHP製作中です。
バングラデッシュ紀行④

以上が現在稼働中の事業ですが、その他のビジネスアイデアは少しづつ動かそうと考えております。

現在、直近では2月中旬~3月上旬に1ヵ月ほど帰国予定があります。またその際にでも吉田塾に顔を出させて頂き、情報交換、事業進捗をお話させて頂きたいと思います。日本は今から本格的な夏になるようですね。お身体にお気をつけて、お互いに精進していきたいと思います。

7月吉日 ダッカオフィスより 吉田塾塾友 村松寛一
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